◆脳波を使って植物状態の患者と話が出来る? [Science]

脳波を使って植物状態の患者と話が出来る?
なかなか興味深い内容なのですが、一般的に普通の人が考える「植物状態の患者さん」と言うのは、意識がなく酸素吸入などの処置をすることによって体だけが生きている状態・・・だと思いますけど、今回の研究では従来は植物状態と思われていた人でも、脳はこちらからの呼びかけに反応していることがわかったそうです。
タイトルの「話が出来る」というのはかなり大げさなのですが、例えば一つの例として29歳の植物状態の患者さんに二つの別々のイメージをしてもらうように話し、その状態の脳をスキャンしてみると異なる脳の活動が起きていることがわかったそうです。
研究者の一人であるMartin Monti氏はこの出来事に「とてもビックリしました。これは画期的なことであり、この患者さんは5年間植物状態だと思われていた人です。」っと話したそうです。
今回の研究結果はイギリスのニューイングランドメディシンジャーナルと言う専門誌にイギリスとベルギーの研究者の研究結果として発表されました。
その一人はベルギーのLiege大学のSteven Laureys医師で、この医師はちょっと前に「23年間意識があるのに誰も気づいてもらえず、昏睡状態だと思われていた男性」が世界的にニュースになりましたが、これを発表した先生です。今回の研究ではこの男性は対象には含まれていません。
スティーブン医師は23人の植物状態とされている患者に「MRI」もしくは「fMRI」と言う脳スキャンを使ったそうです。
通常、このような植物状態の検査において、こちらからの問いかけに応じることもなく眼球で物体を追ったりすることもない状態の時は、医学的に「植物状態」を判断されるそうです。植物状態の人の「目(まぶた)」は開いているそうで、「昏睡状態」の人のまぶたは閉じているそうです。
検査では、fMRIを使いながら患者に「2つの状況」を想像するように話したそうです。一つは「テニスコートに立ってインストラクターとテニスをしている場面」で、もう一つは「自分の家のお馴染みの部屋と部屋を行き来している場面」と連想するように植物状態の患者に話したそうです。
この二つの状況と言うのは、通常普通の人が脳の中でイメージをすると、脳自体が異なるパターンを生じるんだそうです。
素人考えだと「植物状態の人に話したってわかるわけがない」と思いますけど、今回の検査では23人中5人の患者さんで各々の場面を想像するように話すと脳が異なる反応を示したそうで、この内の4人は既に植物状態と判断されている人だったそうです。
ただし、だからと言ってすぐに「意識がある」とかそういう風には判断出来ないようで、今回の結果だけでは植物状態の人の脳がどのくらいのことを認識しているのか?と言うことを判断することは出来ないそうです。更に、全ての植物状態の人にこのような結果が生じることも無いそうです。
例えば植物状態の患者さんに「今後も生き続けたいか?」と言ったような複雑な質問をしても、それを答える精神能力があるかどうかは明らかではないそうです。
また検査をしているスティーブン医師も、MRIを使った植物状態の患者さんとのコミュニケーションと言うモノは実用的ではないと話しているそうです。
ダートマス医科大学のJames Bernat医師によると、4年前に植物人間になった患者の家族が、その患者さんの脳が認識を示すような徴候をして以来ずっとブレーンスキャンをするように求められてきたそうで、確かに患者の家族の人達にとってみればもしかしたら植物状態の家族などと意思疎通が取れるかもしれないと躍起になるのもわかりますが、しかし専門家はこのようなブレーンスキャンはまだまだ研究段階にあり、あくまで「研究ツール」であるっとBernat医師も話しているそうです。
更に、全ての植物状態の患者さんがそのような徴候を示すわけではなく、また仮にその徴候が脳スキャンによって示されたとしてもそれが意識や精神などと言ったものとどのくらい関係しているか?ってことは明らかではないそうです。
このような脳スキャンによる徴候と言うのは、植物状態の人でも特に「外傷性脳損傷」(頭をぶつけるなどの事例)の患者さんに多く見られるそうで、心臓が止まって脳が酸欠になり脳死に至ったような患者さんではあまり見られないそうです。
・・・・・・・・・。
この「脳が反応してる」ってのは一体どのくらいの意識状態で反応してるのか?ってのはまだわからないようですけど、もうここまで来ると「人間の意識はどこからやってくるのか?」って言うような問題ですよネ。
反応しても意識が無ければそれは脳死状態と変わらないような気もするし、かといって「死んでいるのか?」と言う質問にはイエスとは言えませんよネ。
なんとも難しい境界線です・・・。
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