◆ブラックホールと暗黒物質をエネルギーとする未来の宇宙船 [Science]
ちょっと面白い話なのですが、現在人類が作ったモノで最も早い宇宙船はボイジャー1号で、これは1977年にNASAが打ち上げて現在も宇宙空間を飛び続けており、その速度はなんと秒速17kmにも達するそうです。ちなみに現在はボイジャー1号はどんどん太陽系から遠ざかっており、もう二度と地球に戻ることはありません。
そんな速度で移動しているボイジャー1号ですが、しかしそれでも我々の太陽系からもっとも近い恒星のプロキシマ・ケンタウリと言う星までは4.2光年離れており、ボイジャー1号が行くにはあと7万4千年かかるそうです。まーきっと到達することには人類は既にいなそうな予感ですが。(ちなみにボイジャーの電力は2020年頃までは保つと予測されているそうです。)
化学燃料をエネルギーとして使うロケットは長距離を移動するには適しておらず、化学燃料はその実際のかたまりの0.000000001パーセントしかエネルギーに変換出来ないそうです。
現在地上で最も効率が良さそうなのが核を使ったエネルギーですが、核融合炉でさえもエネルギー効率は1%未満だそうです。(ちなみに一応書いておきますが、原子力発電などは「核分裂炉」です。「融合炉」ではありませんのでアシカラズ。今現在でも融合炉について研究は進められているそうですが、技術的に難しいところが多いらしく実用には至っていないみたいです。人類破滅爆弾こと「水爆」などはこの技術が使われているそうですが)
他の案として上げられるのが、巨大なソーラーパネルのようなものを使って光エネルギーを集める方法や、他には「反物質」を使う方法などがあるそうです。
しかし両方ともに実用性には問題点があり、光エネルギーを使用するのは近くに電源となる供給元が必要ですし、反物質に関しては作るのが非常に難しく、保存するのも同じくらい難しいそうです。
反物質と言うのは、その物質が保つ電極が通常とは逆の物質で、既に地上での生成には成功していますが、エネルギーとして使うような段階には至っていません。
(WIkipedia:反物質)
とどのつまり、今現在人類にはそんなに遠くに行く宇宙船を作ることが出来ないのですが、ニューヨーク大学の物理学者のジウ・リウ氏は「暗黒物質」を宇宙船のジェットエンジンに使うことを提案し、カンザス州立大学の数学者であるLouis Crane氏とShawn Westmoreland氏は宇宙船のエネルギー源として人工のブラックホールを使う方法を提案したそうです。
まずは、ブラックホールをエネルギーとして使う場合は、宇宙船の後ろに放射面の反射鏡を作る必要があり、その後ろに小さなブラックホールを発生させる必要があるそうです。ちなみに「小さい」とは言っても、ブラックホールの質量は100万トンだそうです。
そのブラックホールより発せられる「ホーキング放射線」をエネルギーにして宇宙船は進み、光速に近い速度に達することが出来て、プロキシマ・ケンタウリにも数十年で到達が可能だそうです。
光速で近い速度で進むことにより、宇宙船の中に乗っている人は逆にゆっくりと時間が進み、地球上よりも人間はなかなか歳を取らなくなるそうで、人間の寿命の内に250万光年離れているアンドロメダ星雲にたどり着くことも可能かもしれないそうです。
リウ氏の提案する暗黒物質を使った方法はもっと斬新で、暗黒物質と言うのは宇宙に存在する莫大なエネルギーのことで、簡単に言ってしまえば宇宙と言うのは今もものすごい速度で膨張拡大していると言われていますが、そのエネルギー源となっていると見られている物質です。ただし、未だに観測されたことは無く、光も反射しないために見ることも出来ず、物理学の上で宇宙誕生からのシミュレーションのつじつまを合わせるために考え出されている物質のことです。
暗黒物質(ダークマター)と言いますが、別にフォースの暗黒面におっこっちゃうような物質などではないです。なんせ確認すらされていませんので。
リウ氏の考える宇宙船は、その宇宙船の前方にこの暗黒物質を取り込むための入り口があり、それを宇宙船の中でジェットエンジンのエネルギーに変えて宇宙空間を進むと言うモノだそうです。
宇宙船が速く進めば進むほど暗黒物質をより取り込み、そして更なる加速をするそうです。彼の計算によれば数日で光速に近い速度となるそうです。
ただ、この方法では最初に進むのにも暗黒物質が必要となりますが、地球から一番近い暗黒物質の密度が高い場所と言うのは天の川の真ん中あたりだそうで、地球からは2万6千光年離れているそうです。現在の人類の科学では、ここに到達することですら不可能なんですけどネ。
更に、暗黒物質の正体ではないか?っと言われる「ニュートラリーノ」をエネルギーとするためにはそれを船に貯める必要がありますが、この物質を閉じこめることが出来る素材と言うのは今のところ存在しないそうで、未知の新しい物質が必要となるそうです。
・・・・・・・。
話を聞く限りはかなりの未来物語ですが、まーマンガみたいにワープホールが開いてその中を時空間ジャンプするってのよりは現実味がありそうなお話です。
これ読んでる人が生きてる内には実現はしないでしょうけどネ。

