◆イタリアの小島で発見された中世の世界初の検疫所 [Science]

イタリアの小島で発見された中世の世界初の検疫所
→写真はこの辺からどうぞ。
イタリアにある小さな島で中世のモノとされるペスト感染者の集団隔離施設と埋葬墓地が発見されたそうです。場所はイタリアの南にある小さな島のLazzaretto Vecchioってところで、そこに博物館を建築しようとした工事の人たちが基礎工事として地下を掘った時に偶然発見されたんだそうです。
そこからは1500体以上の人骨と150個以上の埋葬品が発掘され、この島は伝染病の蔓延を防ぐための世界で初めての隔離施設であったと考えられるそうです。尚時代は15〜16世紀のモノで、この時代にはヨーロッパでしばしばペスト(黒死病)が蔓延し、最大で国家の3割の人間が死亡したときもあるそうです。
(写真は実際の発掘された人骨です)
この墓地で発見されたもっとも古い人骨は15世紀の終わり頃の人とされ、16世紀になると疫病による致死率はさらに上がり、この場所では一日に500人もの人が亡くなりその人たちを埋葬する時間もなかったそうです。ペストに感染すると貴族も下級階級の人も区別なくこの施設に強制的に連れてこられ、そして亡くなれば身分も関係なく集団で埋葬されたそうです。
この現代で言うところの検疫所の概念は1485年に始まり、この時代に発生したペストはこのイタリアのベニスにも壊滅的な被害をもらたし、当時の国家元首ですらペストで死亡しました。
ベニス政府はこの感染拡大を防ぐためにこの孤立した島に公立病院を建設し、その時にこの島は「Santa Maria di Nazareth」と呼ばれるようになり、それが省略されて「Nazarethum」とか「Lazaretum」とかって呼ばれるようになり、それが語源となって現代の用語「lazaret」(検疫所、隔離所って意味)が出来たそうです。
つまりこの場所が世界で初めての検疫所と言うわけです。
16世紀のベニスの作家であるRocco Benedettiさんは当時の状況について書く残しているそうでその惨状はヒドイものだったそうです。
「そこは地獄のようです。病人は一つのベットに3.4人寝かされ、労働者は一日中死者を穴に放り込み、しばしばかすかに動く者やまだしゃべっている者もそのまま死者と一緒に墓に放り込まれました。」っと書き記しているそうです。
しかしこのような隔離をしたおかげでその後も何度もヨーロッパに蔓延したペストの発生に対してもベニスは損害を抑制することが出来たらしい。
今後この人骨と埋蔵品は保存され科学者達による調査も行われるそうで、建設途中の博物館はそのまま2010年の完成を目指して建設されるそうです。人骨などの一部は完成した博物館でも展示が予定されているらしい。
・・・・・・・・・。
ペストがヨーロッパで大発生したのは14世紀頃からとされているそうですが、おそらくその時の教訓などを生かしてこの島の検疫所は15世紀に建設されたのだと思います。
当時この病気にかかると死亡率は50〜70%くらいとされていて、発病から1週間ほどで死亡するそうです。(現代では正しい治療をおこなえばそれほど死亡はしません。)
ちなみに記事には「bubonic plague」とあるんですが、正確にはこれは「腺ペスト」ですネ。ペスト菌がリンパに感染して発症するもので一番死亡率が高いです。他にも血液に感染する場合などもあるそうで、そうすると全身に黒い斑点が浮き出るらしい。そこからペストが「黒死病」と言われるんだそうです。
→Wikipedia:ペスト
最後に何が気になるって、おそらく今回発掘された人骨は埋葬されているごく一部の骨だけだと思うんですが(1500体って書いてあるし)、そうするとこの博物館は多くの人間の骨の上に建築されるってことになるんですよネ?
それってまた新しい伝説の始まりになるような気も・・・・。たとえば「何かが出るんです」みたいな。
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